IGFに入団した若麒麟に、早くも猪木が出場指令を下した。記者会見という公の場で「おい、お前、5月に試合しろ」と、突き放したようにも受け取れる言葉で。

同じくIGFのルーキーである角谷には、“期待のルーキー”という位置付けをしているが、それはあくまでIGFの営業としての対外的な言葉でしかなく、どこか投げやりにキックルールのデビュー戦を与えたようにも思える。

逆に、猪木は意外と若麒麟のことは買っているのではないか?と思えてくる。

相撲時代は立ち会いの張り手の激しさが売りだったらしい若麒麟。

そして大麻スキャンダル。

そんな若麒麟に猪木は何かを期待しているかもしれない。

話はプロ格から逸れるが、人間てのは自分が何か失敗して低調になっている時に相手がどんな接し方をしてくれたかが記憶、印象に残るもの。

若麒麟にとって猪木が生涯の恩人に思えるような存在になれば良い。他人事ながらそう思った。