当初の予定から数週間遅れて開幕したプロ野球のテレビ中継を観た。 

今シリーズは“震災復興シリーズ”と銘打たれており、試合中継の合間には有名選手が被災地に向けてのメッセージを述べていた。 

日本中の視聴者に対して、被災地を支援する意思表示をしたプロ野球選手は、通常時ならば勝ち試合の後(もしくは節の間の休日)にはハメを外して祝勝するところだろうが、そのような行為は球団の指導もあって自粛をしているはずだ。そうでなければテレビの前の視聴者を欺くことになるから、当然のことだ。 

そこで格闘技界に目を向けてみた。 

青木真也のツイートを見たら“募金活動等出来ず、試合に向けて練習ばかりしてきたが、自分には格闘技しか出来ない。やれることをやるしかないのだ”という旨を呟いて、堂々と胸を張っていたようだが、青木は街頭募金に参加しなくて正解。 

なぜなら、多くのファンに支持されている有名選手という立場をわきまえず、四六時中軽薄な呟きを乱発している人間が「震災復興」など口にしたところで何の説得力もないし、逆に嘘っぱちも甚だしいと見なされるだけだからだ。 

有名人=公人が、被災者に対して追悼あるいは支援の言葉を吐いたならば、いつ、どこにいても、その姿勢を崩すべきではない。 

「それはそれ、これはこれ」は通じないのが公人なのだ。 

格闘技しか出来ないのは解るが、それでもネット上での軽薄な会話を慎むくらいは容易に出来るはずなのだ。 

格闘技が強いだけの人間を、誰も管理できずに野放し状態。 

日本の格闘技界は甚だ未成熟な世界であることを改めて認識させられた。 




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