映画『フォース・カインド』のブルーレイビデオをレンタルして鑑賞した。

私は部屋の明かりを消した状態でビデオ鑑賞をするのが常だが、この映画は明るいままにした。その理由は、レンタル店でパッケージの解説を読み、この映画が宇宙人による拉致事件のドキュメントであることを知っていたからだ。

明るい部屋で鑑賞したのは正解だった。

もし真っ暗な部屋で観ていたら、“実在の”タイラー博士の顔がいきなりアップで出た時点で心臓が止まるか、良くても尿漏れを起こしていただろう。

また、催眠術をかけられた拉致被害者が絶叫しながら宙に浮くという離れ業を撮影した“ドキュメント映像”を観て、居間から逃げ出しただろう。

映画を観終えた私の率直な感想は、十数年ぶりにトイレに行くのが怖いと思った。ちょっとした物音に驚くようになった。

また、私は小学5年生の時にUFOを見たことがあるため、もしかしたら拉致もされているかもしれない。

あのUFOの記憶は鮮明だ。学校から帰宅途中、空はまだ青かった。ふと空を見上げた私と友人は、丸くて巨大な未確認飛行物体を目撃した。高度は、さほど高くなかった(旅客機よりはずっと低かった)。円盤の底部は黒ずんでいた。目撃してからほんの数秒後、空の真ん中で突然消えた。私は友人と顔を見合わせ、「MIBに連行されぬように注意しよう」と話し合った。

そんな経験のある私だから、この“ドキュメンタリー映画”を観終えて、今後、夜間に窓の外は見れないなと思った。“白いフクロウ”と目が合ったら大変だ。

そして私はこの映画についてもっと知りたくなり、ネットがあればバカでも物知り、ウィキペディアで調べたところ、『フォース・カインド』はドキュメンタリー映画ではなく、ドキュメンタリー風に作ったフィクションであることを知った。

心の底から安堵感がこみ上げ、排尿を済ませてから就寝することができた。宇宙人が来るわけないって!(来たとしても)やってやるって!



主演のミラ・ジョヴォヴィッチは中川家の弟に似ている。