リッチ・フランクリン

web新のUFC.115観戦記 ミルコの醜い寝技

久々にWOWOWでUFCを観ましたよ〜!絵に描いたように蛇足だったキン肉マンとのタイアップが無くなっていた。やはりクレームが多かったのだろう。



<○ベン・ロズウェル(判定3-0)ギルバート・アイブル×>
まず、アイブルクラスの選手がUFCに出られることが不思議。それほどヘビー級は人材不足なのか?

試合の方はピリッとせず、日本に馴染みのあるアイブルがどこの馬の骨かもわからない白鯨タイプに苦戦し続け、見ていてイライラした。

アイブルは金網に押し付けられ、両足を抱きかかえるように持ち上げられてテイクダウンされると、容易にサイドやマウントを奪われてしまうパターン。つきたての餅(by解説者)のように白くて柔らかそうな大きなお腹に乗っかられ、体力を消耗していく。

それでも下から三角絞めや足首固め、アームロックを狙う等、寝技に進歩を見せたが、やはり極めるまでには至らない。スタンドに戻すことも数回あったが、すぐにテイクダウンされてしまう。

第2ラウンド終盤にはパウンドで相手を流血させるが、攻め疲れてしまい、またタックルを決められてしまう。

最終ラウンド、息も絶え絶えのアイブルはいきなり低空タックルにトライするも、潰されて下になり、そのまま終了。0-3でアイブル判定負け。



<○カルロス・コンディット(TKO)ローリー・マクドナルド×>
両者とも立って良し寝て良しの本格派で、目まぐるしい攻防が展開される。互いにミドルキックをキャッチした状態でパンチを打ち合ったり、第2ラウンド終了直前には前蹴りを相打ちしてみたり。

中盤までは、パンチにカウンターのタックルを決めるなど、ややローリー有利な気がしたが、パウンドの波状攻撃等でペースを引き寄せたカルロスが最後はパウンドをまとめてTKO勝利。終盤の巻き返しに地力の強さを感じた。伊達に25勝を挙げていない。



<○マーティン・カンプマン(判定3-0)パウロ・チアゴ×>
ヨアキム・ハンセン風のスキンヘッドが特徴的なマーティン・カンプマンのニックネームは“ヒットマン”。鋭いジャブはまさにヒットマンの狙撃のようで、さらにグラウンドでも柔術黒帯のチアゴ相手に優位なポジションをキープし、肩固めを狙い続ける。その執拗さもヒットマンと呼ばれる由縁だろうか。

この試合とカルロスvs.ローリーのウェルター級戦2試合を見ると、とても郷野レベルでは太刀打ちできないと思った。日本では体たらくばかりのウェルター級だが、アメリカではとんでもなく層が厚い。ボクシングは上手くて当たり前だし、身長も185cm前後がぞろぞろしている。



<○ミルコ・クロコップ(一本)パット・バリー×>
元K-1ファイター同士の一戦。オクタゴン中央での打撃戦が予想されたが、、、。

序盤にパンチで2回尻餅をつく格好のダウンを喫したミルコ。K-1であればダウンを取られるか取られないか微妙なところ。しかし、バリーはあくまでスタンド勝負にこだわり、追撃する素振りも見せず。

逆にミルコは第2ラウンドからグランド勝負を仕掛ける。相手の弱点を突くのは当然ではあるが、元K-1ファイター同士の一戦においてのミルコの能動的な寝技はとても醜く感じた。加えて決めてに欠くものだから尚更。

今回の試合ではトランクスに日の丸を入れていたミルコ。解説によると、絶好調だった時期の感覚を思い出す意味での日の丸らしいが、だったら下手な寝技など披露せず、スタンドで勝負して欲しかった。

第3ラウンドにはミルコの左ハイに合わせて軸足を払って転倒させてみせたバリーだが、いよいよスタミナが切れた様子。最後はミルコが金網際でパウンドを乱打してから、チョークスリパーで勝利。

あくまでスタンド勝負にこだわったバリーに対して、自らグラウンドに持ち込み、絞め技で勝利したミルコ。これではバリーは納得できないんじゃないか。第1ラウンドの途中に見せた抱擁と笑顔の交換は何だったのか?

連勝となったミルコだが、私は完全復調とは思えない。K-1ファイター相手でももたつく寝技技術は相変わらずだし、PRIDE時代から私が指摘しているようにボクシング自体も際立って上手いわけではない。今回の試合でも左目が塞がった。タイトル争いに絡む姿は想像できない。



<○リッチ・フランクリン(KO)チャック・リデル×>
攻勢ながらもKOを奪おうと必死だったリデル。ミドルキックで左腕を壊され、パンチで追い込まれながらも冷静だったフランクリン。

見た目では最後までリデル優勢だったろうが、私のみならず最初からフランクリン勝利を予感していた人は少なくないだろう。



<雑感>
UFCの中継では金網がまったく邪魔に感じないが、DREAMではストレスを感じた。これはカメラワークの差が影響しているのか?

黒人レフェリーのディーン氏は、何だかK-1の鈴木悟に似ている。顔立ちと、紹介される時にアピールする仕草が無性に腹立つところが。

web新のUFC93観戦記(後半)

UFCに関しましては、以前のエントリーのコメント欄にも書かれていたように、どんな観点で観れば良いのか?と、取っ付きにくい部分があるかもしれません。知らない外国人選手同士の殴り合いを観させられるのは、結構しんどいですし。

しかし、変に構えてUFCを特別視することなく、他の格闘技コンテンツを観るのと同じつもりで観れば良いと思います。

面白いのか?面白くないのか?

そこに“闘い”はあるのか?

その観点から言えば、UFCもDREAMもK-1もキックボクシングもいっしょです。下手に玄人ぶらず、面白くない試合はスルーすれば良いのです。

そんなわけでUFC93のハイビジョンWOWOW観戦記・後半です。

○ホジマール・パリャーレス
×ジェレミー・ホーン
(3R判定3-0)


ホジマール・ジェレミー・ホーンは総合戦績103戦79勝19敗5分のベテラン選手。UFCには17から参戦してます。日本においてもパンクラスやリングス、PRIDEに参戦経験があるため、古くからの日本のファンにも馴染み深い選手でありましょう(ウィキペディアさまさまだなw)。

そんなホーンに何もさせずに判定勝利したのはホジマール・“トキーニョ”・パリャーレス。BTT所属の新進気鋭の選手です。グラウンド状態で、下になったホーンを仰向けになりながらコントロールするあたり、只者ではない印象を受けました。

終始圧倒しながらも一本を取れませんでしたが、本人談では、第1ラウンドで拳を骨折してしまったとのことです。

ちなみにニックネームのトキーニョは「硬い木の切り株」を意味してるそうですが、トキーニョはいかにも柔術ヲタが好みそうな響きですね。



○マウリシオ・ショーグン
×マーク・コールマン
(3R 4:36 TKO ※スタンドのパンチ)


ライトヘビーに階級を落としてきたマーク・コールマン。初代UFC王者が10年ぶりにオクタゴンに戻ってきた形ですが、アメリカの新しいファンからすると「お呼びじゃない」という風潮もあったのではないか。コールマン自身も“昔の名前で出ています”的なところを良しとせず、とにかく結果を出したいということで階級を落としてきたのではないかと思われます。

階級を落としたコールマンはずいぶんと容姿が変貌しましたが、ウェイトを落とた精悍さは感じられず、癌の長期入院治療から復帰した人間のように痩せ衰えた印象でした。

試合が始まると、階級を落としてもやはりスタミナが切れるのが早かったコールマン。戦法もタックルしてからパウンドの一本やりで、ガードポジションや下からの攻撃の技術が高度になった現在においてコールマンの戦いぶりは時代遅れの感が否めませんでした。

一方のショーグンも、第1ラウンドからガス欠状態になったコールマンをなかなか仕留められず、自身も中盤から失速。勝ちはしたものの、評価をさらに落としました。

UFCデビュー戦では、UFC新時代の象徴とも言えるフォーレスト・グリフィンに負け、今回ばレジェンド゙とは言え実際の今の闘いの場ではロートルでしかないコールマン相手にグダグダの試合ぶり。PRIDE時代の強さの面影はまったく感じられませんでした。

果たしてどのような要因がショーグンを変えてしまったのでしょうか?

格闘技マスコミの諸君には、安易な人間模様を書き綴るばかりでなく、そのような問題の原因を追究するようなレポートを書いてほしいと思うのは私だけでしょうか?



○ダン・ヘンダーソン
×リッチ・フランクリン
(判定 2-1)


近年のUFCにほとんど関心を持っていなかった私からすると、フランクリンがどれほどのもんじゃい!?って感じでしたが、立って良し寝て良しのオールラウンドファイターでした。

特に私が気に入ったのは、ダンヘンのボクシングをけん制することに効果的だった左ミドルキックです。取って付けたような蹴り方ではなくスムーズに蹴り出している姿から、体幹の強さ、バランスの良さが感じられました。

実況によると、これまではLYOTOとアンデウソン・シウバ以外に負けたことがないとのこと。驚くことにLYOTOとの対戦は『猪木ボンバイエ2003』で行われた試合でした。ヒョードルvs永田やレコvs村上の前座でそんな試合が行われていたなんて不思議な感じがしますね。

試合の方は、僅差の判定でダンヘンが勝利。ダンヘンは老いてなお強しといった感じ。例えばハイキックを決めた後に足を滑らせて尻餅をつくも、即座に体勢を立て直して片足タックルを決めたあたりの“際”の強さがダンヘンの持ち味じゃないかと私は思います。



次回UFCは、GSPことジョルジュ・サンピエールとBJ・ペンとのウェルター級頂上対決が組まれてます。また、我らが(?)郷野も三度目の参戦。強敵ジョン・フィッチを相手に結果を残してウェルター級タイトル戦線に食い込めるでしょうか?

WOWOWでの放映は2月1日(日)深夜24時からですので、観戦記はダラダラと週の半ばになりそうです。

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web新のプロフィール
観戦暦:30年。格闘技入賞歴:新空手K-2トーナメント、K-1モンスターチャレンジ、土浦市長杯。戦績:17試合13勝4敗9つのKO勝利。新空手史上最短KO記録保持(5秒。但し非公認)


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