実家の近所に、満州帰りの爺さんが住んでいて、うちに酒を飲みに来ると、中国人を惨殺した話を自慢気に語っていた。ギラついた目が恐ろしかった。

私の祖父の妹の夫も満州帰りだが、戦争から帰ってきた後は、ほとんど口をきかない大人しい人になってしまったそうだ。出征前を知らないので、私は寡黙なおじちゃんだなという印象しかなかったが、あちらで何か衝撃的なことでもあったのかもしれない。

また、私の母方の祖父は、写真でしか見たことがない。満州で戦死したからだ。記憶にあるのは、軍服を着た写真と、1通の手紙。“私が満州で見ているこの月を、日本で幸子たちも見ているのか”みたいなことが書かれていて、それを見た私は泣きそうになった記憶がある。幸子とは長女(私の母の姉)の名前である。

戦争で残虐性を剥き出しにする人もいれば、寡黙になってしまう人、ロマンチストのまま戦死する人もいる。

戦争、ダメ。絶対。

(ひでえ締めだなw)