パンクラスを会場観戦したので、その観戦記です。



<長南の名セコンド>
メインとして行われた佐藤豪則vs.ケイ山宮。佐藤のセコンドは長南だった。

佐藤はラフター7所属なんだけど、どーゆー関係?

ところがこの2人、しっかりと師弟関係が構築されているらしくて、試合中なのに長南の指示に対して佐藤は「ハイっ!」と返事を繰り返す。珍しいシーンで、なんだか面白かった。

で、肝心なのは長南の指示が的確だったこと。覚えているだけでも以下の何点かを挙げることができる。

佐藤がボクシング一辺倒になりそうになると「ボクシングだけじゃないよ!」と、山宮のペースになるのも未然に防いだ。

山宮がカウンター狙いなのを見透かしてズバリと指摘。相手が嫌がるセコンドぶりは、グラバカのお株を奪った形?

グラウンドでバックを取りながらも攻めあぐねていると「右手で殴って!」と指示し、佐藤がその通り実行するとこれがズバリとハマって、判定に決定的な影響を及ぼした。

正直、驚いた。

佐藤のタイトル防衛(キングオブパンクラシスト ウェルター級)は、長南無くしてはあり得なかったと言っても過言ではないだろう。

あの顔で刺青入れてるから悪い印象しか無かったが、長南を見直した。



<中井りん、完勝>
今大会唯一の女子の試合だったが、パンチが炸裂した時の音は中井が一番だった。思わず「オッ!」と声が漏れたほど。

女だてらにベストKO賞まで受賞したが、誰も文句はないでしょう。



<ZSTの清水選手はモノが違う>
中だるみしがちな中盤戦を、短時間で一本勝ち。

勝利のマイクも起承転結がまとまっていて、ダラダラしていない。

入場時の兄弟によるライダーパフォーマンスもシュールで笑えた。

キッチリ勝って、ハッキリ挨拶して、バカバカしいパフォーマンスにも真面目に取り組む。

総合格闘技宇留野道場・チームZST所属、清水俊一はイチオシ。



<須貝の判定について>
ネオブラトーナメントのライト級決勝戦として行われた須貝vs.大橋(吉田道場)だが、判定が物議を醸した感がある。

大橋のパンチで眉間に裂傷を負った須貝の見た目の印象が悪く、実は私も判定は大橋勝利かと思ったが、ドローからのマスト判定で須貝の勝利となった。

勝利者の須貝は、素直に勝ち名乗りを受けられない様子で、表彰式でも終始俯き気味だった。

しかし、よく試合を振り返ってみると、効果的なパンチを当てていたのは須貝の方だ。大橋はそれで二度腰が落ちている(その内一回はフラッシュダウン気味)。

流血の量が判定に影響を及ぼしでもしない限りは、マスト判定で須貝勝利は納得の結果と言えるだろう。

須貝はパンクラスの厳しい入団テストをクリアしてプロになった選手。今回の苦い経験を糧に、さらに飛躍して欲しいと思う。




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