別冊・プロレス昭和異人伝のshingolさんと、元新日本プロレス役員・上井文彦氏の対談。こちらで明日まで公開中(延長も?)。全盛期のFEG社内の様子を上井氏が語ってくれてます。


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印象に残っているプロレスの試合の一つに、長州力と小川直也がタッグマッチで対戦した試合がある。

この試合、小川が長州とがっぷり四つに組むことはなかった。遠い間合いからオープンフィンガーグローブを装着した拳でジャブを繰り出し、長州を遠ざけ続けたのだ。

あのパンチは印象がとても悪かった。いかにも小手先の技といった感じがした。

それとは逆に、打撃の怖さが感じられたのは、あの小川−橋本戦(99年1月4日)での乱闘の中でジェラルド・ゴルドーが繰り出したパンチ。

掟破りして橋本をKOした小川に掴みかかろうとする平田らを制止したのが、ゴルドーのパンチ。まるで槍を突き刺したかのような鋭さだった。平田は頭を下げてゴルドーの胴にしがみ付くのが精一杯で、それを解かれてからは、パンチを恐れて接近することすら出来なかったし、他のレスラーたちも、村上のことは攻撃しても、ゴルドーには誰も近付こうとしなかった。

長州とのグラップリングから逃げるための手段として用いた小川のパンチと、リアルな乱闘の中でレスラーたちをたじろがせたゴルドーのパンチ。同じパンチでも、使う場面によって印象は大きく異なるものだ。





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