7・5K-1MAXの谷川EP総括を読んだ。

いつもの大会の総括にはツッコミどころが散見されるが、今回は納得できる内容ばかりだった。それは、今大会が何ら虚飾する必要もないくらいに素晴らしい成果をあげられたことの証でもある。

それでは、EP総括を点検してみよう。



「松本選手や裕樹選手も負けっぷりがよかったし・・・」

これはまた馬鹿正直な感想だ。K-1ファイターとして世に出るためには、負けっぷりに色気があることも重要であることは、当ブログでも何度も書いてきたことだ。K-1最大の魅力がKOシーンであることは言うまでもないのだから、その色気が重要であることは言わずもがなである。

逆に駄目だったのがリザーブマッチの宮田。先に2つダウンを奪いポイントで優勢だった宮田は、最終ラウンドにダウンを1回奪い返されると、KO負けを恐れてクリンチで時間稼ぎをし、辛うじて判定勝利を手中に収めた。何の価値もない勝利だ。

しかも、地上波中継ではこの試合を番組冒頭にフルラウンド流したらしいが、それが視聴率が振るわなかった大きな要因だろう。あんな試合にチャンネルを合わせたままにするのも余程の物好きしかいない。

ただ、大会進行中に番組がスタートするという中継形態のため、あらかじめ番組構成(まずは渡辺の試合をフルラウンド流すこと等)を概ね決めておかねばならなかったのだろうが、それが完全に裏目に出てしまった。これについては後日改めて言及したい。



「大和選手、久保選手、紀左衛門とか、若い選手がキック団体のメーンイベンターに勝ったのがよかったし、そういう世代が63キロを面白くしていってもらえれば。」

才賀も強調していた「世代交代」だが、古くから全日本キックでメインを張って来たナオキックが完敗したことで、その印象が否応にも強まった。それを象徴したシーンが、試合後の肩叩き。これ以上落ちないだろうというくらいに肩を落として立ち尽くすナオキックを肩叩きした才賀のGJ。カメラに向かってきれいなままの太ももを見せつけるアピールも秀逸だった。

さらに才賀は、退場しながら放送席のHIROYAに「(子園は強いやろ!」とアピール。全日本キックの看板を背負って試合に臨んだナオキックが、甲子園ファイターに完敗したのだ。「甲子園は強いやろ!」発言に誰が異論を唱えられようか。

才賀vs.ナオキックは、まさにキックボクシングがK-1甲子園に敗れ去った歴史的な試合となったわけだ。正直、私もK-1甲子園ファイターの実力を侮っていた。さすがの才賀もナオキックには苦戦するだろうと。とんでもない話だった。

しかし、これでK-1におけるナオキックの商品価値が0になったわけではない。才賀とのリベンジマッチ実現を標榜し、それに向けてのチャレンジマッチを泥臭くこなしていく姿は観客と視聴者の心に留まるはずだ。

ただ、このようなリベンジロードを主催者がお膳立てしてくれる保証はない。むしろ与えられない可能性の方が高いだろう。

だったらナオキック自身がアクションを起こさねばならない。さて、どう動く?


※ナオキックのリベンジロードについては、私もナオキックを一押ししてきた責任もありますので、今後のエントリーで具体的な内容を提案していこうと考えております。



「63キロは来年世界大会をやりたいです。今後はRISEやKrushと協力して選手に経験を積ませながらやっていく形にしたい。大和選手や久保選手は70キロの選手以上に世界に通じると思うので楽しみです。」

世界レベルの-63ファイターを作り上げていく作業をどうするか?

未知の強豪を発掘したり、キックの団体で活躍している外人選手を招聘したりするのが一般的な手法だと思うが、最も手っ取り早く、なお且つ刺激的なのが、-70ファイターを-63に転向させることだ。

これは以前にも書いたことだが、例えばマイク・ザンビディスは格好の存在。もともと60kg台半ばのウェイトでMAXに出ていたから、わずかな減量で-63への転向が可能なのだ。身長180cm超の選手が増えてきた-70においては、これまで以上に体格的なハンデを背負うことになるザンビディスにとってもこの転向は渡りに舟のはずだ。

ブアカーオの同様。体格的ハンデもあってか近頃成績が振るわない彼も、-63では水を得た魚のように再生するはずだ。

さらに、初期のK-1MAXやHERO'Sで活躍したレミギウス・モリカビュチスや、-70では小柄な部類に入るイム・チビンや"アーツの愛弟子"リーロイ・ケスナーも、パフォーマンスを最も発揮できる舞台として-63を選ぶ可能性は十分にある。総合・南米枠としてマルロン・サンドロ投入も面白そう。2戦連続で相手を失神させた脅威のパンチをK-1で発揮してほしい。

大和哲也(日本)
久保優太(日本)
マイク・ザンビディス(ギリシャ)
ブアカーオ・ポー・プラムック(タイ)
レミギウス・モリカビュチス(リトアニア)
イム・チビン(韓国)
リーロイ・ケスナー(オランダ)
マルロン・サンドロ(ブラジル)

以上で一通りの世界大会を催すことも可能だろうが、この中から1人をリザーブに回して(レミーガ?)、代わりに未知の強豪を参戦させれば完璧だろう。



「視聴率は9%台でよくありませんでした。内容的には評判よかったしコア層の評価もすごく高かったのですが、マスとコアの間で興味が離れてしまっていて、マスにどう届けるかが今後の課題です。いい試合だったのにそこは難しいですね。でも、見に来てくれたTBSの局長クラスの方々の評価はメチャクチャ高くて、それはよい材料です。」

マスに届けるための方策は、K-1心中の中でいくつも提案している。頭を使えば良いだけだ。



web新のツイッター。佐藤嘉洋選手からRTがありました。

yoshiHEROsato 29ー29だったのが岡林さんというのも言い間違いらしい。試合終わった直後岡林さんが、控室に飛んできて『僕の採点は30ー28ですのでドローなのは違うジャッジです』と言いに来た。 RT @K1_webshin:ジャッジの集計って小学校低学年レベルの計算だと思う。どうやったら間違えるの…

選手の生の声が聞けるツイッター。今更ながら、なかなかのツールだと思い始めてますよ〜!(笑)