久々にWOWOWでUFCを観ましたよ〜!絵に描いたように蛇足だったキン肉マンとのタイアップが無くなっていた。やはりクレームが多かったのだろう。



<○ベン・ロズウェル(判定3-0)ギルバート・アイブル×>
まず、アイブルクラスの選手がUFCに出られることが不思議。それほどヘビー級は人材不足なのか?

試合の方はピリッとせず、日本に馴染みのあるアイブルがどこの馬の骨かもわからない白鯨タイプに苦戦し続け、見ていてイライラした。

アイブルは金網に押し付けられ、両足を抱きかかえるように持ち上げられてテイクダウンされると、容易にサイドやマウントを奪われてしまうパターン。つきたての餅(by解説者)のように白くて柔らかそうな大きなお腹に乗っかられ、体力を消耗していく。

それでも下から三角絞めや足首固め、アームロックを狙う等、寝技に進歩を見せたが、やはり極めるまでには至らない。スタンドに戻すことも数回あったが、すぐにテイクダウンされてしまう。

第2ラウンド終盤にはパウンドで相手を流血させるが、攻め疲れてしまい、またタックルを決められてしまう。

最終ラウンド、息も絶え絶えのアイブルはいきなり低空タックルにトライするも、潰されて下になり、そのまま終了。0-3でアイブル判定負け。



<○カルロス・コンディット(TKO)ローリー・マクドナルド×>
両者とも立って良し寝て良しの本格派で、目まぐるしい攻防が展開される。互いにミドルキックをキャッチした状態でパンチを打ち合ったり、第2ラウンド終了直前には前蹴りを相打ちしてみたり。

中盤までは、パンチにカウンターのタックルを決めるなど、ややローリー有利な気がしたが、パウンドの波状攻撃等でペースを引き寄せたカルロスが最後はパウンドをまとめてTKO勝利。終盤の巻き返しに地力の強さを感じた。伊達に25勝を挙げていない。



<○マーティン・カンプマン(判定3-0)パウロ・チアゴ×>
ヨアキム・ハンセン風のスキンヘッドが特徴的なマーティン・カンプマンのニックネームは“ヒットマン”。鋭いジャブはまさにヒットマンの狙撃のようで、さらにグラウンドでも柔術黒帯のチアゴ相手に優位なポジションをキープし、肩固めを狙い続ける。その執拗さもヒットマンと呼ばれる由縁だろうか。

この試合とカルロスvs.ローリーのウェルター級戦2試合を見ると、とても郷野レベルでは太刀打ちできないと思った。日本では体たらくばかりのウェルター級だが、アメリカではとんでもなく層が厚い。ボクシングは上手くて当たり前だし、身長も185cm前後がぞろぞろしている。



<○ミルコ・クロコップ(一本)パット・バリー×>
元K-1ファイター同士の一戦。オクタゴン中央での打撃戦が予想されたが、、、。

序盤にパンチで2回尻餅をつく格好のダウンを喫したミルコ。K-1であればダウンを取られるか取られないか微妙なところ。しかし、バリーはあくまでスタンド勝負にこだわり、追撃する素振りも見せず。

逆にミルコは第2ラウンドからグランド勝負を仕掛ける。相手の弱点を突くのは当然ではあるが、元K-1ファイター同士の一戦においてのミルコの能動的な寝技はとても醜く感じた。加えて決めてに欠くものだから尚更。

今回の試合ではトランクスに日の丸を入れていたミルコ。解説によると、絶好調だった時期の感覚を思い出す意味での日の丸らしいが、だったら下手な寝技など披露せず、スタンドで勝負して欲しかった。

第3ラウンドにはミルコの左ハイに合わせて軸足を払って転倒させてみせたバリーだが、いよいよスタミナが切れた様子。最後はミルコが金網際でパウンドを乱打してから、チョークスリパーで勝利。

あくまでスタンド勝負にこだわったバリーに対して、自らグラウンドに持ち込み、絞め技で勝利したミルコ。これではバリーは納得できないんじゃないか。第1ラウンドの途中に見せた抱擁と笑顔の交換は何だったのか?

連勝となったミルコだが、私は完全復調とは思えない。K-1ファイター相手でももたつく寝技技術は相変わらずだし、PRIDE時代から私が指摘しているようにボクシング自体も際立って上手いわけではない。今回の試合でも左目が塞がった。タイトル争いに絡む姿は想像できない。



<○リッチ・フランクリン(KO)チャック・リデル×>
攻勢ながらもKOを奪おうと必死だったリデル。ミドルキックで左腕を壊され、パンチで追い込まれながらも冷静だったフランクリン。

見た目では最後までリデル優勢だったろうが、私のみならず最初からフランクリン勝利を予感していた人は少なくないだろう。



<雑感>
UFCの中継では金網がまったく邪魔に感じないが、DREAMではストレスを感じた。これはカメラワークの差が影響しているのか?

黒人レフェリーのディーン氏は、何だかK-1の鈴木悟に似ている。顔立ちと、紹介される時にアピールする仕草が無性に腹立つところが。