昨日、オーストラリアの金網格闘技イベント『X-1』に出場した石井慧は、ラウンド終了のブザーが鳴る直前に左フックで相手の顎を打ち抜いてダウンを奪いましたが、ブザーが鳴った後にパウンドを打ち続け、反則負けとなりました。

反則負けの裁定には納得です。ブザーが鳴る前からパウンドの体勢に入っていたならまだしも、鳴った後にやり始めたわけですから、悪意がなかったとしても反則負けになって当然です。

遺恨マッチでもあるまいし、ブザーが鳴ったのを知っていながら石井がわざとパウンドを打ち続けたとは考えられません。

と言うことは、ダウンを奪ったところで何としてもトドメを刺さねばならないと考えるまでに石井は精神的に追い詰められていたと言えます。

確かに、わずか数秒間流された試合映像の中の石井は、相手のパンチを上手く捌くことができないのか、下を向いて頭から突っ込む姿が印象的で、余裕ある試合運びをしているようには見えませんでした。

まだデビュー4戦目だから余裕がなくて当たり前だとの意見もあるとは思いますが、同じ柔道金メダリストとしてプロ転向した吉田の場合は、もっと落ち着いた感じで試合をしていたように思います。

ただ、五日付け日刊スポーツの記事によると、石井は「怖くても打撃をやってみる」と発言しているようなので、あえて石井はこの海外修行期間中に自分本来の戦い方ではない打撃主体のスタイルを試行し、ファイトスタイルの幅を広げようとしている可能性が濃厚です。

SRCの幹部がオーストラリア入りし、石井と会談する予定があるとの話もありますが、果たして石井は国内第二戦でどのような試合を見せてくれるのでしょうか?

今回は絶対にコケるわけにはいきませんから、対戦相手選びが難しいでしょうね。あの頭から突っ込んでフックを振るうスタイルでは、左右に回られ、上手く間合いを取られた挙げ句にアッパーカットを叩き込まれておしまいになりそうだから、そのような捌きのできない相手を探さねばなりません。

かと言って、今回の対戦相手のティナナス(暗黒卿みたいな名前だな)や、イマニー・リーのような無名選手では物足りないので、“知名度はあるが、一発で決められるほどのパンチはない選手”という狭い選択肢から選ばねばなりません。

となると、やっぱり藤田和之になるんでしょうか?

最後に、石井の試合映像を流した『関口宏のサンデーモーニング』における、“御意見番”張本勲氏の発言について。

張本氏曰く、石井は悪くない。あそこで体を割り込ませて石井を止めなかったレフェリーに喝だっ!

まったくその通りだと思います。野球以外の分野にしては珍しく的を射た喝入れでした。

そして、ツイッターでの情報に寄ると、主催者が石井反則負けの裁定について協議を始めたらしい。もしかすると裁定が覆り、石井のKO勝利になるかもしれません。