DREAM.14で行われる宮田和幸と大塚隆史の一戦を密かに楽しみにしている格闘技ファンは少なくないと思います。私もこの一戦には興味津々です。

宮田と大塚はともにレスリング出身ですが、その実績ではシドニー五輪に出場した宮田に分があります。そこは当然、宮田にとってはこだわり所であり、17日の公開練習の際には「レスリングではレベルが違う」と自己主張。

しかし、そこが落とし穴のような気がします。

2006年に行われたHERO'Sでの山本KID戦。宮田は試合時間わずか4秒でKIDの飛び膝蹴りの餌食になりましたが、このKID戦に臨む宮田の意識が「レスリングではレベルが違う」という上から目線であったことは間違いないでしょう。

たしかにレスリング仕込みの宮田のテイクダウン能力は、本人が「総合では世界一」と誇っているように卓越したものなのでしょうが、総合格闘技の中の一要素に過ぎないのも事実です。

と言うか、過去の試合を振り返ると、トップどころを相手にした試合ではグラウンドに持ち込まれて一本負けする試合ばかりだったような気がしますけど。デビュー戦でホイラーに三角絞めで負けたのは仕方がないとして、その後も須藤元気、シャオリン、ハンセン、ブスカペには全て寝技で一本負けしています。

一方、レスリングの実績では劣る大塚(とは言えど全日本出場経験あり)ですが、総合格闘家としては相当な修羅場をくぐり抜けてきた選手のようです。

こちらのインタビュー記事で知ったのですが、過去には70kg級のトーナメントに出場したり、ブラジルで試合をしたり、現SRCフェザー級王者の金原や三島☆ど根性ノ助らに勝っていたり。

記憶に新しいところでは、DREAMフェザー級GP1回戦でビビアーノ・フェルナンデス相手に善戦した試合を思い出します。私はこの試合で初めて大塚を知りましたが、打撃、テイクダウンの攻防、そして寝技と、あらゆる局面で穴が無い選手という印象を受けました。

その反面で決定力不足が否めないことも、直近の勝ち試合4戦全てが判定決着だったことから伺えます。

以上、両雄の背景や戦績等について思うままにダラダラと書き綴ってきましたが、勝敗予想をするためのポイントをまとめてみます。

■宮田は過去に、レスリングでは格下の須藤元気と山本KIDと対戦しているが、ともに一本負けしている→大塚にも足元をすくわれるのではないか?

■グラウンドで一本負けすることが多い宮田は、AACCで柔術もやっている大塚に苦戦しそう→宮田が一本負けした試合は、体格的に不利だった70kg級のみ。フェザー級戦では一本負けは考えられない。トップどころ相手には判定決着続きの大塚に宮田を極めるだけの決定力が備わっているとは考えられない。

こんな感じです。

そして試合展開を予想すると、なかなかグラウンドには移行せず、ロープ際やコーナーでのスタンドレスリングの攻防が長くなりそう。そこで勝敗の分かれ目になるのが、立ち組からの膝蹴りじゃないでしょうか?

となると、07年にブアカーオのジムでムエタイ特訓をして身に付けた技術やボクシング練習等の成果が持ち前のレスリング技術と上手く融合しつつある宮田に軍配が上がりそうな気がしますし、コーナーにおける際の攻防では、オリンピックレスラーとして培った集中力がモノを言うのではないかと思います。

勝敗予想 ○宮田和幸(判定3-0)大塚隆史×

白蛇占いばりに「こんなん出ましたけどぉ」と自信満々に言いたいところですが、この予想にはあまり自信がありません。大塚には若さと気性の荒さがありますし、不似合いなグラジエーター風トランクスが宮田の心理をかき乱すことも考えられますから(んなわけない)。

いつも言ってることですが、勝敗予想はそれが当たるかはずれるかという結果よりも、予想を導き出すまでの過程を楽しむものですから、予想の当否に固執することなく、このチバラギダービーの観戦を楽しみたいと思います。



(オマケ)
宮田が本日更新したブログの内容。

「コアマッスル専門整体」

エントリーの前半では、ジムの会員に神業的な技術を持つ整体師がいたことの喜びを熱く書き綴っていた宮田ですが、途中からいきなり酸素カプセルに話題を転換したかと思うと・・・

練習後30分入った。


この1行の記述のみで擱筆。漁船で頂くタコのぶつ切りのように男気溢れる締め1文に圧倒された次第。