ee5b60b6.jpg5月2日の深夜25時50分。男は赤羽のひなびたビジネスホテルのベッドで目を覚ました。

リモコンでテレビの電源を入れ、寝ぼけ瞼をこすると、携帯にセットしたアラームのスヌーズ機能が働き、目覚まし音と、バイブレーターがデスク上で小刻みに震える音が三畳程の狭い客室に再び鳴り響いた。

何度も携帯を操作してアラームを止めることは面倒だったが、どうしても見逃せない番組がその時間から放送されるのだから、寝過ごさないためのスヌーズ機能は致し方ないことだと、男は自分に言い聞かせた。

目が覚めて頭が覚醒してくると、昼間の高尾山登山のせいだろう、ふくらはぎが筋肉痛になっていることに気付いた。

男は「翌日に筋肉痛が出るってことはまだまだ若い証拠」と独りごち、ベッドサイドテーブルのペットボトル飲料水をゴクリと一口飲んだ。

ゴクリ。

「こんな音を立てて水を飲むホビットが、あだ名を“ゴクリ”にされたのも頷ける。それくらい文字に表しやすい音だったな」と、男が再び独りごちた時、お目当ての番組が始まった・・・。





ハーイ、そーゆー状況でーす!ゴールデンウイークは日本を抜け出すはずが、何かの弾みで国内に残ってます。しかも赤羽。

ま、その点につきましては、常連コメンテーターさんのほとんどが私の海外旅行の振りをスルーしていましたから、皆さん「web新の奴、海外旅行を仄めかしていたが、どんなオチを用意しているのか?」程度の認識だったんじゃないかと思います(笑)

と言うわけで、さっそく観戦記です。

<○上松(KO)ジェヒ×>
いきなりJOYかよ!

番組制作側は上松にはやはりモデル兼業ファイターのイメージを強調。格闘技ファンが嫌うナンパな売り出し方。

しかし、試合が始まると、目にも留まらぬスピードと間合いから逃げないアグレッシブな戦い方を見せた上松(ジェヒも)。

開いた口を閉じることも出来ずに試合を注視していると、上松のパンチでジェヒがダウン。ふらふらの足元ながらも立とうとするジェヒ。

テレビに向かって「ストップだろ!」と声を張り上げた方も少なくないのでは?(今思えばレフェリーの止めたタイミングも決して悪くはなかった)

初っ端からホットにさせてもらったところに「今日はトーナメント全試合をお届けします」のアナウンス。番組の作り手の真摯な姿勢が伝わってきた。



<○裕樹(KO)狂拳×>
「ぅおーーー!」

上松の試合に比べると、ややダラダラ感のある展開になったが、それは贅沢ってもの。しかし、最後はきっちりKOで締めてくれて、冒頭のシャウトに至らせてもらった。至福の喜び。

この試合を見て感じたのは、格闘技は進化するんだなってこと。煮詰まりを感じるK-1ルールだが、裕樹の鋭いローキックを見ていると「5ラウンド制ならばローで倒していたはず」みたいな見解は完全に前時代的なものとなっていくんじゃないか。3ラウンドで倒せるローキックってものがK-1のスタンダードになってくるかもしれないと感じた。

余談だが、この試合の勝者を狂拳と予想した私だが、過去に裕樹がTKOで勝っていたのを忘れていたことを反省。と同時にこの再戦カードに疑問符。狂拳は決勝に残す方向でマッチメイクしてほしかった。もったいない。



<○久保(判定3-0)DJ.taiki×>
煽りV“魔裟斗のジム探訪”からスタート。最近は渡辺篤のような味わいが少し出てきたか?

DJ.taikiは刺身のつまに過ぎなかった。左ミドルが効いてしまったtaiki、苦し紛れの裏拳発動。私が大嫌いな技。さらに攻めあぐねる久保まで裏拳発動。勘弁して。

久保は、ハイキックからパンチへのつなぎが早いし、ダッキングも巧みだったが、スリップが多かった。圧倒的に強い場合や調子が良い時はスリップはまずしないものだが、taikiを仕留め切れなかったことからも久保は不調だったのではないかと思ってしまった。



<○尾崎(延長判定2-1)小宮山×>
小宮山のヌンチャク、尾崎のテコンドー。互いに格闘技的なキャラは十分に立っている。

試合開始早々、小宮山が首相撲から繰り出した膝蹴り2発目=反則で尾崎が負傷し、試合中断。故意の反則なのに減点しない?

尾崎も尾崎。首を捕まれると素直に下を向くから膝をもらってしまう。まさか組技に弱いテコンドー選手としてのキャラ作りを徹底しているなんてことはあるまいが、修正の余地が大有り。

なんだかんだで延長戦、僅差の判定で尾崎勝利。小宮山はどうも好きになれない。爬虫類顔に加え、自分が勝ちさえすれば良いみたいなアマチュアイズムが強そうな感じがするからか?

この試合、互いに回るだけ回った挙げ句に決定打なし。勝敗は逆になったが私の予想通りの展開になった。



<○ナオキック(判定3-0)渡辺×>
ラウンド数の少ないK-1だから、試合の起承転結が凝縮されないとダラダラとした試合になる。

この試合では、2R終了間際にナオキックがハイキックを当て、やっと「承」となったが、最後まで「転」にすら至らず。

わずか3Rの試合で起承転結を見せること、則ち観客を満足させる試合をすることってのは容易なことではない。我々ファンも選手に期待し過ぎるのかもしれない。

ただ、前々から自己アピールをしてきたナオキックには期待して当然だったが、あの始末。

主催者からすれば、これだからメインは任せられない、となる。ナオキックをメインにしなかった点については、谷川EP、さすがの判断だった。

試合後のナオキックは通路を歩きながらのインタビューで「40点」と自己採点していたが、ファンの採点はもっと厳しかったと思うよ。

一方の渡辺はヌボーっとした風貌で、極真空手家と言うよりも、イッセー尾形のコントで“冴えない殺し屋”に起用されそうな風貌だった。



<○才賀(判定3-0)原田×>
才賀は筋骨隆々の肉体もさることながら、あそこまでヒールを意識し、ふてぶてしいまでの態度で人気者をいたぶり続けた徹底ぶりから、ただ者ではない印象を受けた。

が、結局は判定決着。体の大きな若者がオッサンをサンドバック替わりに弄んだだけ。試合後に原田の正面から両肩に手を置き、上から目線で原田に語りかける態度も印象悪かった。

ただ、強ければそれで良いのか?と怒り心頭の原田ファンは多いだろうが、今回の試合は、ファイヤー原田ジムにとっては良い宣伝になったのではないか。初心者からすれば才賀みたいな選手がいるジムの門は叩きたくないが、原田にはいろいろ接してみたくなるだろう。



<○大和(判定3-0)山本×>
本戦判定が読み上げられる中、大和の精神は良い状態に保たれていた。ジャッジ一人目がドロー、そして二人目が自分に入れた時、「あと一票で勝てる」と目論む気持ちよりも、「これで少なくとも延長にはなる」と、臨戦態勢を整えた。

三人目のジャッジのドロー判定が読み上げられ、コーナーに戻る大和の背筋の良さに勝利を予感できた。

ただ、両者の体格差はかなり大きかった。多分、60kgだったら大和は減量が無理だったはず。この3kg差は、K-1ライト級の勢力図に大きく影響するだろう。



<○松本(判定)大月×>
大月勝利を予想したが、二人の体格差を見れば「やっぱりな」と言った感じ。

大月、考えが甘い。


その他の試合はまた後で。



連休三日目はお台場に。ベリーズ工房が登場し、キモヲタのテンションはさらに上昇。娘と顔を見合わせて笑いながら観覧してます。