石井vs.吉田戦については吉田の老獪さが際立ったという論評が目立ちますが、高阪剛氏は専門誌上で石井のボクシングについて批評してました。

石井は右ストレートを打つ際にしっかりと腰を回す動作をしているが、そのような基本を蔑ろにしてでも、まずは相手の顔面にパンチをねじ込むことを第一に実践すべきという旨の解説。

これは私も感じました。同時に、同じ柔道金メダリストの瀧本誠にも似たような症状が出ていて、過去の『戦極』観戦記の中でそれを書いたことを思い出しもしました。

戦極でトリッグと対戦した瀧本は、いかにもボクシング特訓を積んできましたといった感じの比較的きれいなフォームのパンチを繰り出していましたが、その割には強打できていない。フォームが崩れても強打できるようにしなければならない、と。

この2人のフォーム重視ぶりを見ると、オリンピックで金メダルを獲るくらいのアスリートゆえに、とにかく基本を忠実に守る姿勢が強いのかなと。ただ、その練習量が足りないだけなのかなと。

と言うことは、今後さらに練習を積むと、柔道で金を獲ったように、MMAでも素晴らしいパンチを打てるようになるかもしれません。