静と動。そのコントラスの激しさがリョート・マチダの一番の魅力である。第1ラウンドは遠い間合いでの睨み合いが続く。オクタゴンの中心でどっしりと構えるリョートの周りをエバンスが回る。時折リョートがハイキックを単発で繰り出す程度だが、これぞ“究極格闘技”と言った感じの息詰まる緊張感。
まず試合が動いたのは第1ラウンド3分過ぎ。リョートが左ミドルを放ち、その引き足が着地する前に左ストレートを放つ。それがヒットしてエバンスがフラッシュダウン。リョートは一気呵成にパウンド攻撃に転じるが、エバンスはガードして金網を背に起き上がり、再びスタンドの展開になり第1ラウンド終了。
そして迎えた第2ラウンド。パンチの打ち合いになるとエバンスの攻撃が軽くヒットする場面も見られたが、相手をぐらつかせたのはやはりリョートのパンチ。
その勝機を逃がさず、金網際でパンチの連打。エバンスは意識を失い崩れ落ちた。解説によると日系人初のUFCタイトル奪取とのこと。
リョートがエバンスをKOした瞬間、深夜にも関わらず「よし!やった!!」と大声を発してしまった私ですが、勝利者インタビューで「夢は強く願えば必ず叶うものだ」と力説するリョートを見ていて、頭の中にある歌が浮かんできました。
♪一番星に祈る それが私のくせになり
夕暮れに見上げる空 心いっぱいあなた探す
悲しみにも 喜びにも 想うあの笑顔
あなたの場所から私が 見えたら きっといつか
会えると信じ 生きてゆく
シンガーソングライターの森山良子さんが、若くしてこの世を去った兄を想って作った詩を歌にした『涙そうそう』なんですが、他界したそのお兄さんのイメージにリョートがピタリとはまりました。

