○リオン武(TKO ※パウンド)佐藤ルミナ×
スポナビの記事等を見ると、「変幻自在の攻撃でルミナがリオンを追い込んだ!」ってのが大方の感想のようですが、私はまったくそのようには感じませんでした。

むしろ、ルミナが足掻いている間にたまたまヒットしたパンチでリオンがバランスを崩しただけ、そして、最初から勝つ見込みが薄いと実感していたルミナにとっては、その場面が絶好のチャンスに見えてしまっただけのこと。

結果、首相撲から膝蹴りを狙おうとしたところに思い切りパンチを食らって仰向けにダウン。そのままパウンドを浴びてTKO負けとなった次第で、私の目にはリオンの盤石の勝利としか映りませんでした。

私にとっては98年か99年頃のルミナはスター選手でしたが、久々に見たルミナは「こんなに体が小さかったの?」と言うのが正直な感想です。私ばかりではなく、彼の全盛期をリアルタイムで見ていた者からすると、悲し過ぎるくらいの今の姿じゃないでしょうか?



○五味隆典(TKO ※パウンド)中蔵隆志×
中蔵がこれまでの試合でどのような強さを発揮して伝統ある修斗ウェルター級王者にまで登り詰めたのか、この一戦からはまったくそれを感じ取ることができませんでした。

寝技ができない選手なのかな?それとも五味に付き合ったのかな?相手の土俵であえて戦ったと言うならば、王者としての資質に疑問ありじゃないでしょう?

完全復活をアピールした五味ですが、自分のスタイルにまったく付き合わないような選手に完勝してこそ完全復活を宣言できるんじゃないでしょうか?例えば北岡をパウンド葬するとか。



○ヴィリアミー・チケリム(一本 ※フロントチョーク)遠藤雄介×
私にとっては遠藤ら新世代シューターの無味無臭な感じがどうも受け入れられないんですよね。相手のチケリムもよくわからない選手なので、このカードでだらだら判定は勘弁だなと思いながら見てましたが、なんと第1ラウンド終了と同時に遠藤がタップアウト。

あそこで仕留められなくてもインターバルで回復できるよう、終了間際に一気に締め上げたチケリムの判断が奏功してそのような形になりましたが、なかなかお目にかかれないケースですよ。

ブラジルには、マイナーだけどめっちゃ強い選手がまだまだ潜んでいるってことなのでしょう。



○廣田端人(TKO ※パウンド)石田光洋×
石田選手は受けに回りすぎた、自分からタックルを仕掛ければ良かった・・・と外野が言うのは簡単ですが、それをさせなかった廣田が強かったのでしょう。

解説によると、廣田は修斗で連敗して『戦極』という新天地に出向いたそうですが、そこでメジャーのオーラを身に付けてホームに帰って来ました。廣田に限らず五味、石田、あるいは『修斗伝承』の第1回目大会に出場した桜井マッハのように、メジャー大会のスケジュールの谷間に修斗に参戦するというのがこれからの一つのモデルになるんじゃないでしょうか?



○富樫健一郎(判定)加藤徹史×
数年ぶりの修斗参戦となった加藤ですが、現在はサイパンでジムを開いているとの話。加藤の朴訥とした風貌から想像するに、せせこましい日本より南国サイパンの風土の方がはるかに水が合うのでしょう。

試合開始早々、加藤がミドルキックを連発。それがまた鋭い。それを見て驚いたオールドファンは少なくなかったでしょうね。かつての加藤は組み付いてからが本番って感じの選手でしたから。



○朴光哲(TKO ※パウンド)ウエタユウ×
正直、ウエタが圧勝するかと思ってました。リーチ差が凄かったから。

どうなんでしょうね,。ウエタのセコンドは盛んにあごを引くように指示してましたが、攻めは最大の防御なりと言うように、あごのガードが少し甘くなっても、もっと伸び伸びとジャブを打ってほしかった。あれだけのリーチ差・体格差があれば、スウェイバックでいくらでも当たらずに回避することが出来たはずですから。本当にもったいないと思いました。



○ウィッキー聡生(判定)太田拓巳×
ウィッキーが持ち前の打撃と腰の強さで判定勝ちしましたが、倒されるとそこから展開できないのが相変わらずもどかしい。

今後もDREAMで海外の強豪と試合をするつもりならば、その弱点を克服しないと厳しいと思います。



○藤井恵(一本)チェ・ウンブン×
フジメグは圧倒的に強かったけれども、女子格闘技界という未成熟な世界においては、それがいかほどのものなのかを計れないのが悲しい。MIKUとでもやらせたらええんちゃうの?

相手のチェは、カラオケで『Flyday Chinatown』を熱唱してそうな感じの女性。