大月vs,ナオキックの前に、前々回のエントリーで書いた「満員の後楽園ホールで自分が気持ち良く応援できればそれで満足な大馬鹿野郎なキックファン」の趣旨について誤解をしている方がおられるようなので、説明します。

以前、当ブログにこんな怒りのコメントが寄せられたことがありました。

「あなた(web新のこと)は、キックボクシングのハウス人気の現状を知らないで何を言っているんだ!」

ハウス人気って・・・(苦笑)。そいつは熱狂の坩堝と化した小さな会場で叫びながら選手を応援することに喜びを見出しているのでしょう。まぁ、それはそれで問題ない。

しかし、ハウスレベルの会場を満員にする程度で、キックボクサーたちが他のプロスポーツ選手並みの収入を得ることができますか?

私はプロ格闘家の年収と社会的地位の向上を常々願ってます。だから、ハウス人気がどうこうと声高らかに叫ぶようなキックファンを大馬鹿野郎と言ったのです。以上。

それと、人を殴ったこともない奴に何が解るのか?みたいな物言いも、私が皆様に誤解される部分かなと思うので、それについても説明します。

私は格闘技をやったことがない人を馬鹿にする気持ちは全くありません。実際、私自身もやる側というより観る側に近い立ち位置だと思ってますし。

しかし、やったこともないくせに知った風な口を利いたり、私に対してクレームをつけるような格ヲタのことは馬鹿にしますよ。

例えば、Kヲタに人気の高いポール・スロウィンスキーを私はボクシングが下手糞で問題外と批評しますが、もしそれに反論があるならば、何を根拠に言ってるんだと(笑)

あんな案山子がローキック打ってるようなの、私でも勝てますよ。言うちゃ悪いけど。

そんな感じで「翼をもがれたナオキック」に入りたいと思います。

心から信頼し合える仲間同士の対戦となった全日本キック「Krush.2」のメインイベント、大月晴明vs.石川直生。

ナオキックが2009年の目標として大晦日Dynamite!!出場を掲げてから最初の試合ということで、私は彼の意気込みを生で見たいと思い、会場まで足を運びました。

前回エントリーに書いたとおり試合前の煽りVで2人の友好関係を知ってしまった私は、かなりテンションが下がりましたが、この試合がゴールじゃないのだからと自分に言い聞かせました。

ところが試合が始まると、唖然とするくらいの凡戦が最終ラウンドまで続きました。

肘を使えない。首相撲もまともに駆使できない。ムエタイ志向の強いナオキックにとっては、そんなK-1ルールで勝とうと言うのが無理な話だったのです。

極端な話、キックとK-1には総合と立ち技と同じくらいの違いがあるんじゃないか!?

ナオキックらしい動きと言えば飛び膝のみ。しかし、自分本来の戦い方が出来ない中で繰り出したこの飛び膝も迫力に欠けるもので、まるで極楽鳥の求愛ダンスのようでした。

第1、第2ラウンドと激しい攻防もなく終了し、観ているこちらが不安になりました。元気や真弘らが作り上げた会場の熱気もメインイベントで冷え切ってしまうのか!?

しかし、第3ラウンド、迷走するナオキックを大月のバックハンドブローが捕らえました。

う〜ん・・・。正直、私はバックハンドブローが大嫌いなんですよね。だって、グローブではなく前腕が当たってKOになるケースが多くないですか?私の記憶に残っているところでは、K-1MAXで須藤元気が韓国の選手をKOした試合ですね。やったもん勝ち。あんな技は反則にすべきですよ。

そしてフィニッシュは豪快なパンチで、大月の完全KO勝利となりました。

大晦日に向けてスタートを切ったナオキックが、斜陽の爆腕にKO負け。この結果をどう受け止めれば良いのでしょうか?・・・などとヒステリックになる必要もない。

ここからナオキックがどう挽回するかを楽しむだけ。我々ファンにはそれしかできないのだから。

果たしてナオキックは今年中にキックボクシングを世に送り出すことができるでしょうか?

私は世間を視野に入れた格闘家であれば、無条件で応援するつもりです。

「K-1内K-1に価値は無し」の格言同様、現状ではキックボクシングの中に価値を見出すのは難しい。しかし、これまでキックボクシングに見向きもしなかった一般世間の人間を振り向かすことができれば、キックボクシングというジャンルのステータスも格段に上がり、新たな価値が付加されます。

キックボクシングのメジャー化が現実的に困難なのは解りますが、現時点でその夢を託せるのはナオキックだけ。今回の敗戦を受けても、私のその気持ちに変わりはありません。