プロスポーツの選手と聞いて我々日本人がまず頭に浮かぶのはプロ野球の選手やJリーガーだろうか。また、我々が大好きな格闘技の世界にもプロの選手は当然いる。

そして、プロ野球の選手やJリーガーとプロ格闘家との大きな違いは、練習する時間と場所を素人と共有するかしないかだろう。

当然、前者は素人ごときと練習なぞするわけがない。しかしプロ格闘家は同時にレッスンプロでもあるから、素人を指導する。時にはじゅうぶんに手加減してスパーリングもする。

それゆえに素人は、指導してくれる格闘家に並々ならぬ思い入れを抱くことが少なくない。

そして思い入れのある格闘家がネットで批判されたりすると過剰に反応してくる。「プロの選手をリスペクトしろーっ」などと。

しかし、プロの選手は試合して稼いでナンボ。ファンからのリスペクトなんて生っちょろいことは二の次三の次のはず。もし、自分がファンにリスペクトされることを第一に考えるプロ選手がいるのであれば、素人の延長線程度だろう(ちなみに海外の選手が「日本人はファイターを尊敬してくれる最高の客」とか言うけど、まさかそれを鵜呑みにはしてないでしょ?)。

かつてプロ野球・阪急ブレーブスのエースだった山田久志さんは、選手としての晩年、自分が打たれてベンチへ帰る際に「よく頑張ったぞ」と温かい声援が送られたことが引退を決意する要因の一つになったそうです。

現役バリバリの時は打たれたらそれこそ大阪のファンが相手ですから糞味噌に罵声を浴びせられました、それこそが自分が一流である証だと認識していたそうです。

プロの格闘家もその点は同じのはず。負ければ罵声を浴びせられるのです。それが嫌ならば引退して、ジムでヲタ相手に指導して小銭を稼いでいれば良い。

たしかにジムで自分を指導してくれる選手が批判されるのは、ジム生として面白くないかもしれませんが、生温かい目でぬるい応援をするファンもいれば厳しい目で批判をするファンもいるんです。それら全てを納得させることが出来て初めて一流なんじゃないですかね?