その1 DREAMの人気回復に日本版TUF

その2 DREAM版ガチンコFC チームエンセンの大和魂

シリーズ第3回は、日本が誇るレジェンドファイター、桜庭和志率いるチームLaughterについて。

チーム名はもちろん桜庭が主宰する格闘技ジム、Laughter7から取ったもので、文字通り笑いながら楽しく学ぼうと言うのが基本方針ですが、楽しい経験だけで強い選手になれる訳もなく、チームLaughterの面々にも厳しいミッションが課せられます。最初に断っておきますが、このチームに加入したことを誰もが後悔するような試練を与えますから。馳浩でも考え付かないような試練を。

ですから皆さま方も覚悟して読んで下さいゃし(先代松五郎、長井順一風)。

まずはガチンコFCらしくトラブル発生。ある練習生が柴田に物言います。

「俺は桜庭さんに憧れてここに来たんだよ。お前なんかに竹刀で叩かれる筋合いはねぇ!!」

この一言で柴田と練習生の取っ組み合いが始まります。さすがに体力に勝る柴田が抑え込みますが、柴田の微妙な立場が原因で生み出される緊張感は残ります。

これは序の口、オードブルタルタル。

いつもニコニコ顔で練習風景を見守る桜庭は、時折マットに上がって練習生に悲鳴を上げさせる。柴田も竹刀片手で鬼コーチ役に徹する。そんな練習が2〜3日続きましたが、ある日、スペシャルコーチが来場しました。

そのコーチとは須藤元気。須藤元気と言えばロボットダンス。体幹を鍛える意味で、練習生全員にロボットダンスを徹底指導。丸1日かけて、それなりの出来栄えになりました。

汗をかきながらも瞳を輝かせながらロボットダンスを踊る練習生たち。もしかしたら、格闘技はダメだとしても、須藤がダンスユニットをプロデュースしてくれるかも?・・・邪なピラメキが脳裏を過ります。桜庭さんのチームで良かった!

しかし、その様子を冷笑しながら見守る柴田。明日、何かが起きる!?

須藤コーチの特別指導2日目。練習生はロボットダンスを見せ合ったりしながらコーチの登場を待つ。和気あいあいとしたムード。

そこにマイクロバスが到着。ぞろぞろとバスから降りてくるスポーツマン風の学生たち。ジャージの背中には「TUWC」の文字が!

TUWC=Takushoku University Wrestling Club

なんと!!須藤自身が監督を務める拓殖大学レスリング部がやって来た!!国際大会や全日本選抜の入賞者がごろごろしているぞ!!

ダンスユニットプロデューサーの顔から、レスリング部監督の顔に変わった須藤元気が宣言する。

「今日はLaughterとうちのメンバーのスパーリング大会を行います。5分20本やりましょう!」

全員同時にスパーリングを行うわけではなく、皆が見守る中で1組ずつ行われるスパーリングは緊張感抜群。拓殖レスリング部のチーム力に圧倒されるLaughterの練習生たち。

果たして結果は、Laughterの完敗。特に本格的なグラップリング未経験者はボロ雑巾のようにされました。とにかくタックルを切れない。抑え込まれたらダッチワイフ状態。中にはマンぐり返し状態で抑え込まれたり、ラッパを吹かされたり、フルネルソンでジャイアントスイングみたいに振り回される練習生も。

余りにも屈辱的な結果に悔し涙を流し始めるLaughterのメンバー。拓大側からは笑い声も聞こえ始める。

そんな中に一筋の光明が。倒され、投げられ、締めあげられる"仲間たち"に向かって応援する声が湧き起る。同じ屈辱を味わう中で、Laughterの練習生たちに連帯感が生まれていたのです。

そして夕陽が沈みはじめる頃、スパーリング大会は終了、、、と思いきや、桜庭が号令。

「よし、お前ら、今日スパーリングした中で、一番嫌だった相手ともう1本スパーリングやろう」

顔を見合わせる練習生たち。

「ほら、早く。相手を見つけたら握手して!」

桜庭に急かされ、渋々拓大メンバーの中に歩み寄り、それぞれに相手を見つけるLaughterの面々。そして再び投げられ、倒され、締めあげられる。

最後の5分間も終わり、拓大メンバーは帰り支度を始める。それを横目に須藤が号令を出す。

「よし、最後は楽しく、Laughterのみんなはロボットダンスで締め括ろう!」

悔し涙と鼻水でくしゃくしゃになった顔を晒してロボットダンスを踊る練習生たち。このシュールさも大衆を魅了する。

(次回は大洗サンビーチでの実戦)