FMWの三周年記念興業として行われた川崎球場大会『邪道』の中で行われた、コンバット豊田、工藤めぐみ組vs.ブル中野、北斗晶組の女子プロレス対抗戦は、事実上のメインイベントと呼ばれるくらいの緊迫感と盛り上がりのあるカードだったと言われている。

そして、このカードが発端となって、女子プロレスが対抗戦時代に突入した。

ビッグイベントの単発カードで終わらずに、通常興行の中の目玉として対抗戦が継続した意義は大きかった。

FMWでは工藤がヒロインとして存在感を増したし、土屋と前泊の強さが際立った。

そして、全女では長谷川咲恵というニューヒロインが対抗戦を経て台頭した。

多くのファンに注目されたアングルを後々まで継続させる作業。これを怠ったのが日本格闘技界だった。

私がこのBlogで提案してきたように、K-1やPRIDEの中で起きた事件やアングルを下位の団体が引き継ぐことをやっていれば、ファンの関心を引き留め続けることが出来たのだ。

例えば才賀紀左衛門とナオキックとの抗争なんて、あの一戦の後にも再戦に向けて動いていれば、両者のビジュアルやキャラクターを考えると、マニア以外の一般層をも取り込むことが出来たはずなのだ。

モデル兼業のナオキックがなりふり構わず才賀との再戦に向けて這いずり回る姿。そこにはナオキックという既成の枠を超えた魅力が生まれたはずなのだ。

それは、UFC人気の火付け役となったTUFなんてはるかに凌駕する面白さになったのは間違いない。

本当にもったいなかった。



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