芸能人ピアノ演奏ナンバー1を決める正月番組を観た。

この番組はシリーズ化してるらしく、前回、前々回優勝者は夫婦芸人のかつみ&さゆりのさゆりで、彼女はディフェンディング王者として登場した。

演奏した曲は『サウスポー/ピンクレディ』だった。前回まではクラシックを弾いていたが、今回からは歌謡曲に挑戦したくなったという。

そして、演奏開始後間もなく弾き間違えて演奏中断。親指が攣ってしまったとのこと。十数秒後に最初から弾き直したが、結果は弾き直しが響いて1回戦負け。

ふ〜ん。変な見方をすると、地味なタレントであるさゆりに絶対王者として君臨されては困る番組側が作り上げたアングルではないかと。

ただ、さゆりにもプライドや立場もあるから、自分本来のフィールドではない不慣れな歌謡曲を選曲したこと、その練習による疲労で指が攣ってしまったことにより(寝ないで練習するさゆりの様子を夫のかつみが説明していた)、この負けを“仕方がないこと”としたのだろう。

さゆりが消えた一方で台頭したのがAKB48の松井咲子だ。現役音大生として登場して『Time goes by/ELT』を演奏し、最高得点を獲得して優勝した。

たしかに柔らかなタッチはさすが音大生という感じで、準優勝者である料理研究家・森崎友紀の傲慢さがそのまま鍵盤に伝わったかのような喧しい演奏(曲目『First Love/宇多田ヒカル』)とは一味違うものではあったが、演奏ミスが目立ったのも事実。ピアノ経験者の妻と娘に「パパは一本指じゃないと弾けないくせに」と馬鹿にされる私でも判ったくらいの演奏ミスをしながら最高得点でAKBメンバーが優勝ってのも、いかにもテレビ的だなと思いました。

テレビ的と言えば、大人になっても子供じみたままの新成人の様子を紹介するニュースにはうんざりですよ。例えば浦安市の成人式がディズニーランドで執り行われ、そのフリーチケットを手にした新成人が「とっても嬉しいで〜〜〜す」「立派な大人になりたいで〜〜〜す」とインタビューに答え、スタジオのコメンテーターが若干の嘲笑を込めた笑顔でその映像を見守るアングルには辟易します。





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