肉体自慢のお笑い芸人やプロレスラーにプロ格闘家、そして64thまでが出場し、話題沸騰となったガチ相撲。何だったのでしょうか、見終えた後のあの心地良さは。

出場選手らはそれぞれが自己の分野で活躍しており、(64th以外)相撲は専門外ですが、力比べや強さ自慢になれば本気になってしまうのが男の性。番組を収録したスタジオのヒリヒリした空気がこちらまで伝わってきましたが、その緊張感を良い感じで弛緩させていたのが司会のロンブー淳や勝者予想をしていたお笑い芸人たち(有吉やおぎやはぎ等)のトーク。

例えば、テレビでは専らズッコケ役を担ってきた中西学の扱い方がこの番組では絶妙でした。中西の取り組みになると、得意技のマッケンローを出汁にトークを展開。「中西さんが欲をかいてマッケンロー狙いに来たら負けるでしょう」と、中西の強さとキャラクターを天秤にかけて笑いに昇華させていたのは素晴らしかった。

この毒(中西のマッケンローを茶化すこと)と温かみ(プロレスラーとしての認知)の均衡こそがガチ相撲を観終えた際の心地良さの要因だったのだと思います。同じ芸能人起用でも、女性タレントがDREAMやK-1MAXの実況席で気だるそうにしているのとは大違いでした。直江公の前立て兜じゃありませんが、やっぱり行き着くところは愛ですよ。

K-1ファンとしてはシュルトがどんな扱いを受けるのかと心配もしましたが、芸人たちはしっかりとシュルトをリスペクト。「ホントにシュルトがいるよ」「だって、シュルトなんてK-1でも誰も勝てないんだぜ」と、シュルトに対するリスペクトを前提にしたうえで、ロンブー淳が「なんでシュルトさんはガチ相撲に出る気になったのでしょうか?」といつもの調子で質問するから面白かったのです。

チャックとマッハの一戦は技術的に目を見張るものがありました。小兵のマッハは相手と組もうとせず、狭い土俵の中で常に距離を保ちながら、一瞬の隙を突いて押し出しました。あの集中力の高さは一流の格闘家だからこそ醸し出せたものだと思います。

さて、肝心のガチ相撲のシステムについてですが、私は芸人や格闘家ら16名が一つのトーナメントで勝敗を競うのかと思っていましたが、実際には最初に芸人8名による予選トーナメントが行われ、そこで優勝したボビー・オロゴンが本戦トーナメントに進み、そこで優勝した中西学が曙との一騎打ちを行い、一気の突き出して64thが面目を保ったという流れでした。

私は以前のエントリーで曙が負けると予想しましたが、それは曙が他の選手と同条件で試合を行うことと、元本職としてのプライドがあるからがっぷり四つに組むだろうとの予想が前提にあったから。

しかし実際には曙は1試合しか行わず、さらに四つに組む余裕もなかったということ。これで負けたら洒落にならんってことだったのでしょう。

そんな曙を私は批判はしませんし、むしろDynaite!!で醜態を晒し続けたうえにお笑い番組においても軽く扱われることが多かった曙に対する贖罪としてガチ相撲が企画されたのではないかと思うほどでした。それも後味の良さに繋がったのかな?

ただ一点、苦言を呈させてもらうならば、橋本大地はなんじゃありゃ?

ボディビルダー相手に何も出来ずに寄り切られるも、勇み足で勝ちを拾い、続く準決勝ではシュルト相手に何も出来ずに敗退し、インタビューされてもニヤけただけ。芸人らもいじりようがなくて困ったことでしょう。同じプロレスラーの中西がトーナメントを制したから良かったものの、プロレスの印象を悪くするだけの橋本大地を公衆の面前に出すなと言いたいです。

総括としては、このガチ相撲に倣って良質のDREAM・K-1中継番組を作って欲しいと結びたいところでしたが、TBSの格闘技番組編成班が解散したとのこと。どうりでKrushを観戦していた佐藤嘉洋が元気なさげだったわけだ(考えすぎ?)。

もしかしたら今年の大晦日はDynamite!!に代わってガチ相撲がTBSのトリを務める?




》web新のTwitter