金網際の攻防とボクシング技術の差。

日本人格闘家が本場アメリカの金網で試合をする際、技術を深く洞察したりはしない程度の私のようなファンが観戦するうえでポイントとしているのが上記の2点だろう。

アメリカでの初めての試合がライト級タイトルマッチとなった川尻は、初っ端から強烈なパンチを被弾し、中盤には首相撲から強烈な膝蹴りを顔面に食らい、残念ながら完敗という結果になった。

過去にはPRIDEでメレンデスと対戦済みで、その時には一歩も引かない接戦を演じた川尻だったから、「もしかすると?」という淡い期待があったが、ものの見事に打ち砕かれた。まさに日本とアメリカの勢いの差を見せ付けられたかのようだったと、在り来たりの感想しか思い浮かばない。あまりにも残酷な結末だった。

それにしても川尻は、ここ一番では完敗を喫するタイプだ。

何せこの試合の前段として昨年大晦日に行われたストライクフォースライト級の強豪選手との試合には完勝し、過去にはカルバン、ブスカペ、アゼレード、シャオリンら、海外の強豪ら相手に白星を飾っている。

にも関わらず、大一番での敗戦の記憶が強く残っている。

五味戦、魔裟斗戦(K-1)、青木戦・・・

この悪いイメージを今回の敗戦がさらに強調することになった。川尻のMMAキャリアは今後どう転んでいくのだろうか?


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青木は落ち着いていた。

金網際に押し込まれても慌てずに差し戻し、投げのフェイントで相手の体勢を崩してからの足掛けでテイクダウンに成功すると、背後からチョークスリーパーを極め、完勝と言うべき秒殺一本勝ちを収めた。

"トビカーンジウダーン"のニックネームを用いられて勝ち名乗りを受ける青木は満面の笑み。本人もそのコールには痺れただろう。

そして感極まった青木は、マイクアピールをしようとリングアナウンサーにマイク拝借を強請ったが、あえなく断られたのもご愛嬌。

これまでの日本における主催者ぐるみでの青木推しとは全く違うクールな空気を感じはしたが(X-GUNのネタみたいな言い回しで恐縮です)、これから日本では「青木はマイクで何をアピールしようとしていたのか?」が話題になるのだろうか。

とにかく話題が乏しい日本の格闘技界にとって、この完勝劇は明るい話題であることは間違いない。





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