今頃になってMMAファイターの打撃スキルの高さを評価し始めるブロガーは多いと思うが、私は何年も前からそこに注目していたこともあり、その風潮が一般的ではなかった当時は多くの反論が寄せられたものだった。

その中には、ティム・シルビアがレイ“マーシレス”マーサーに秒殺された試合を引き合いに出すものも少なくなかった。「お前が評価しているUFCの元王者がロートルボクサーに秒殺されたわけだがw」みたいな。

「UFC元王者」に「ロートルボクサー」・・・。このように格闘家を記号化して見てしまう、記号化して見るしかできない見識の低さがよいこやヲタ連の特徴。ロートルボクサー=噛ませ犬という固定概念を捨てないと何も見えてこないし、格闘技を楽しむことはできないと思う。

腐ってもボクシングの元ヘビー級王者なんだから、危険なパンチを持ってるのは当たり前。

逆に、元UFC王者もコンディション次第。UFC離脱後のシルビアは、惰性でMMAをやってるようなものだったと思う。無慈悲なロートルボクサーにKo負けを食らったのも当然といえば当然なのだ。


------------


シルビアと言えば、先月開催されたIGFに出場したが、来年はK-1に出場してもらえないものか。

身長2m超の見栄えする体格。倒せるパンチ。そしてバンナとの因縁。これほどK-1ファイターに求められる要素で満たされたファイターはそういないはず。

コンディションさえ整えれば、かつてのジョニー・クレイン的な活躍くらいはしてもらえるだろう。

開幕戦でバンナを“撲殺”してK-1を震撼させたうえで、決勝戦ではバダ・ハリに壮絶なKO負けを喫するシルビア。見たいなぁ。見たい。実現したら、アンチK-1心中の方々だって汁を漏らしながら見るはずだよ。

K-1にはこのようなストーリー展開が不可欠なんだよ。昨年のGPは、バダ・ハリのアリスターへのリベンジロードがなければ見れたもんじゃなかったよね?


------------


今年のK-1GP決勝大会は、やや味わいが足りない顔ぶれ、組み合わせだ。トーナメントの中で何か目を見張るようなドラマは生まれるのだろうか?

トーナメントが凡戦続きで終始した場合の保険として、シルビアやアルロフスキーら個性的なファイターをワンマッチに投入すべき。彼らは決して「元UFC王者」という肩書きだけが魅力の選手ではない。彼らの味わいを引き出すマッチメイクで新たな因縁を作り出し、来年のK-1に繋げて欲しいものだ。





》web新のTwitter