K-1は本当に無駄なマッチメイクが多い。

今大会で言えばアリスター・オーフレイムの扱い。対戦相手は無名と言っても過言ではないジャバット・ポトラック。

なんで???

K-1の外敵として恐ろしいまでの存在感を発揮しているアリスターには、K-1の中核となっている選手をぶつけるべき。例えばバンナと戦わせれば、勝つか負けるかの緊迫感溢れる試合、まさに格闘技の醍醐味を演出できる。

それなのに海のものとも山のものともつかないポトラックが相手。これではバンナを相手にするような対決の図式が際立たない(こう書くと、よいこのK-1ファンから「ポトラックの実力を知らないのか?」みたいな愚かなローカルコメントが寄せられそうだが、そんな目線は優先順位としては最下位(その理由については今更説明は不要だろう))。

アリスターはK-1の救世主と言っても過言ではない大きな存在なのだから、もっと大切に扱って欲しいもの。

そのありがたみを理解し易いよう、K-1におけるアリスターの一連の歩みを以下に書き記す。

08年Dynamite!!でバダ・ハリを1ラウンドKO。K-1ファイターが総合格闘家にK-1ルールで3敗するという大事件が起きた大会。ここから09年のK-1ワールドGPがスタートした。K-1ファンとして、K-1を破壊する危険さを醸し出し始めたアリスターから目が離せなくなった。

09年3月、ボンヤスキーに3R判定負けするも、終盤まで圧力で押し捲った。結果はアリスターの負けだし、ボンヤスキーが負傷していたとの話もあったが、この試合を見た人間としてはアリスターの力強さとボンヤスキーの非力さが印象として残った。また、この試合について私が書いたエントリーに対し、「ボンヤスキーが勝利した。この結果が全てです」という涙目コメントがよいこのK-1ファンから寄せられたが、K-1にとって重要なのは記録ではなくて記憶だから。

09年9月、GP開幕戦でアーツに判定勝利。これは予想外の結果。しかもアリスターの圧勝。食傷気味のアーツを消したこと、外的が勝ち上がったことで、いっきにGP決勝大会がヒートアップした。

09年12月、GP準々決勝でテイシェイラを秒殺。準決勝では、K-1ファンの溜飲を下げたバダ・ハリのリベンジマッチ完勝劇を実現。リベンジマッチはK-1に熱気があった頃の定番だった。アリスターは、外敵ながらも優秀助演男優賞モノの大活躍だった。

以上、アリスターの約1年に渡るK-1戦績を振り返ってみたが、昨年末のGPからストーリーが途絶えたわけではない。レイ・セフォーとのリング外での紛争が噂されている。準々決勝でテイシェイラをKOしたアリスターがリングサイドの何者かを挑発している場面をテレビで確認できたが、その相手もセフォーだったのか?もしくは極真関係者だったのか?

このような因縁を上手くリングに持ち込めないから、K-1にはイライラさせられる。旬なカードを組むことの大切さを理解していないのだろう。どれだけ馬鹿なプロデューサーが揃っているのかと心配になる。

何らかの事情でセフォー戦が組めないならば、前述のバンナ戦で「K-1vs.外敵」の再燃させるも良し。極真ブラジルから新たな刺客を呼び(グラウベでも可)、テイシェイラの代理リベンジマッチをするのも熱い。

消化試合など組まないで、意味のあるカードを組んで欲しいものだ。意味付けが無ければ格闘技の試合なんて、面白いものにはなり難いのだから。演出に演出を重ねた現代の格闘技ブーム以降にファンになった方々には理解できないかもしれないが。

それに、もし今回のアリスターvs.ポトラックでポトラックが勝ったとしても、アリスターの株が下落するだけで、勝ったポトラックを上手く回していけないのが今のK-1。

春のK-1は何かが起きる大会ではあるが、それにはある程度のお膳立ても必要なのだ。

アリスターvs.セフォー

アリスターvs.バンナ

アリスターvs.テイシェイラの弟分orグラウベ

これらのカードを組めば、春の嵐が吹き荒れるのは間違いない。カードが決まっただけでもエキサイティング。

もう一つ、こんなカードが実現しても面白い。

テイシェイラの惨敗に、あの男が一夜限りの現役復帰を決意!

アリスター・オーフレイムvs.フランシスコ・フィリオ

これくらいのサプライズが欲しい。