8・11代々木大会で組まれた西島洋介vs.ピーター・アーツですが、K-デビュー戦となる西島に対していきなりアーツをぶつける意図が理解できません。

K-1における経験値、体格差、体力差等を考慮しただけでも西島に勝ち目がないのは目に見えておりますし、加えてアーツはジャブで相手を突き放す戦い方をスムーズにこなす選手です。どこをどう見ても西島のK-1デビュー戦が芳しい結果になるとは思えないからです。

なぜ、FEGは西島と言う目玉選手をぞんざいに扱うのでしょうか?

いや、西島のみならず、谷川体制下のK-1にボクシング界から転向してきた選手の冷遇されぶりと言ったらありませんでした。

まるでK-1の優位性をアピールするかのように、元ボクサーたちを噛ませ犬同然に扱ってきました。

まぁ、ボクシングで峠を過ぎたファイターがK-1でトップになれるわけもないので、噛ませ役として起用する手法を理解できないわけではありませんが、噛ませ役にしてももっと上手く使えたのではないかと私は常々思ってきました。

鈴木悟にしても大東にしても、最初から潰すつもりなのかと思わせるような強豪相手に完敗デビューを強いられましたが、もし私がプロデュースしたならば、逆にK-1の方から噛ませ犬を用意してデビュー戦から数試合を戦わせ、ボクサーをK-1ルールに順応させると同時に、連勝を重ねさせることでヒール人気を高めるという手法を用いたと思います。

今回の西島にしても、まずは日本人ファイターとぶつけるのが得策でしょう。私は予てから、プロボクシングの元世界ランカーである西島がK-1に参戦するならば、アマチュアボクシング元王者の天田ヒロミと対戦させてみたいとブログで書いてきました。

くしくも、昨日開催された『HEAT』という格闘技イベントに出場した天田ヒロミが試合に勝利し、そのイベントのヘビー級タイトルを獲得しました。FEGとしてはこの結果が見込めたはずなのだから、西島のカード発表を数日だけ遅らせ、対戦相手をタイトルホルダーになった天田ヒロミにするべきだったんじゃないかと思うのです。

西島vs.天田であれば、試合結果も読み難い。ボクシング技術では西島に圧倒的なアドバンテージがありますが、K-1ルールでの試合経験は天田に分があり、さらに天田は“我が人生に蹴りはなし”というスローガンをいとも簡単に破棄してローキックを多用してくることが予想されます。

ま、西島vs.アーツは既に決まったカードなんで今更の感はありますが、西島がK-1第2戦に臨む機会があるならば、是非とも天田ヒロミとのボクシング対決を実現して欲しいと思います。