横浜大会は毎年驚くような試合の連続で、K-1ワールドシリーズでは最も期待できる大会なんですが、今年はいきなりエース級のバダ・ハリのドタキャンという激震に見舞われました。

同時にヘビー級王座決定トーナメントにエントリーされていたルスラン・カラエフの欠場も決まり、さらには同しくトーナメントにエントリーされていたハリッドも欠場となりました。

この穴を埋めるべく、前日になってセーム・シュルトの緊急参戦。これを「K-1愛」という美辞麗句で飾り立てる主催者ですが、滑稽の一語に尽きますね。いつものことですが。

滑稽と言えばヘビー級トーナメントの顔ぶれです。

メルビン・マヌーフ 177cm 91.5kg

前田慶次郎 183cm 99kg

グーカン・サキ 182cm 99.3kg

タイロン・スポーン 188cm 89kg

上記の身長と体重はK-1公式サイトのデータベースから引用しました。

いかがでしょうか?この体格。相当に小粒です。80kg級の階級でベストのパフォーマンスを発揮できる4選手で争うヘビー級トーナメントを滑稽と言わずに何と言えばよいのでしょうか?

これら4選手を個々に見れば素晴らしい逸材ですので、このように強引な枠の中にはめ込まざるを得ない現状を憂います。口が酸っぱくなるようですが、ライトヘビー級の新設を早急に行うべきであると提言します。

実際、谷川EDもライトヘビー級新設を公言してたんですけどね。裏番組の「ごくせん」を警戒しているような体たらくですから、彼には期待しない方が良いでしょう。

さて、最後にメインイベントのレミーvs.アリスターについて一言。

アリスターの「K-1より総合の方が強い」発言は、盛り上げるために主催者がそう言うよう仕向けているのでしょうが、非常にナンセンスな考え方です。

K-1と総合との対抗戦というアングルから見えてくるべきものは、どちらが勝ったとか負けたではありません。K-1の技術や戦術の行き詰まりを総合格闘家との対戦によって露にし、K-1をより高いレベルで成熟させるための革新の機会としなければならないのです。

今日の試合でもしレミーが勝てば、大晦日にだんまりを決め込んだK-1ファンも「K-1のレベルが低いなんて誰が言った!?」みたいに、文字通り鬼の首を獲ったように大騒ぎするでしょう。そのような就学前児童レベルの考え方のK-1ファンを、私はこのブログを通して正しい方向に育てていきたいと思います。